【中三応援プログラム】<基本問題>星の日周運動(2015年長崎)
北極圏内で最高気温38℃
北極が暑い。北極の氷が融けると海水面が上昇し、水没する島々が増える。
と考えがちだが、海面上にある氷が融けても海水面は上昇しない。
二酸化炭素を排出している国のせいで、地球温暖化が起こり、二酸化炭素を排出していない国が水没する。
北極が暑い→北極の氷が融ける→海水面の上昇
と思っている人がいるが、これは間違いである。
北極の氷が融けても海水面は上昇しない。
北極は陸の上に氷があるわけではなく、水の中に氷が浮かんでいる状態である。
浮かんでいる氷には水の中にある分の体積の水の質量と同じだけの浮力が生じて、氷は釣り合っている。氷のほうが水よりも密度が小さいため、浮かんでいる。
100gの水が氷になったと考えよう。氷は水よりも体積が10%大きいので
体積が110cm³になっている。
水の浮力により100㎝³が水の中にあるとすると10cm³が水の外に見えている
そんな感じとする。
この110㎝³が全部とけたとしても、浮力がなくなって水の表面に出てた10cm³が見えなくなっただけで、水の質量は常に100gのままであるから、水面は上昇しないのである。
実験してみて、不思議だなぁと思うかもしれないが、この浮力の仕組みも中学理科で習うところなのでこのところをしっかり学習しておこう。
では海水面は何が影響で上がるのか?
陸地にある氷が融けることで上がるのである。陸地にある氷がとけ、それにより海水量が増えることで海水面が上がるのである。
さて、今日も長崎県の星の運動についての基本問題を解きながら入試対策をしていこう。
図1は、太陽に対する地球の位置を固定したときの金星の位置を 模式的に示したものである。
問1 金星について述べた文として最も適当なものは、次のどれか。
ア大気をほとんどもたず、表面にクレーターがある地球型惑星である。
これは水星に関する説明である。
水星は地球の三分の一の大きさと小さいため、重力で大気を保持できず、失ったと考えられる。重力によって引き寄せられる隕石などが地上に落下するときに大気との摩擦によって燃え尽きるものが多い。
大気がないと燃え尽きないので、落下したところはクレーターになる。
ィ 二酸化炭素を主成分とする厚い大気におおわれた地球型惑星である。
金星についての説明である。
ウ氷などの粒からなる巨大なリング(環)をもつ木星型惑星である。
「巨大なリングがある」がキーワードである。土星の説明である。
ェ 太陽系最大の惑星で、主に水素とヘリウムからなる木星型惑星である。
木星の説明である。
よって答えはイ
問2 金星が図1のAからBまで公転する間、天体望遠鏡で毎日同じ時刻に同じ倍率で金星を観測したときの、見かけの大きさの変化と満ち欠けとして最も適当なものは、次のどれか。
ア見かけの大きさは小さくなり、欠けていく。
イ 見かけの大きさは小さくなり、満ちていく。
ウ 見かけの大きさは大きくなり、欠けていく。
エ 見かけの大きさは大きくなり、満ちていく。
AからBは、地球に近づいている。このため、見かけの大きさは大きくなる。
近付くとき、どんどんかけていく。
I 長崎県内のある地点において観測 1、2をおこなった。
【観測1】ある日の22時に、北の空を観測すると、図2のように北 極星とカシオペヤ座が見え、南の空を観測すると、図3のよう にオリオン座の恒星Xが真南の位置に見えた。同じ日の23時にカシオペヤ座 再び観測すると、カシオペヤ座とオリオン座の位置はそれぞれ移動していた。
【観測2】 翌日の22時に南の空を観測すると、オリオン座の恒星Xは前日の22時とほぼ同じ位置に見えた。
北の空の星の運動、南の空の星の運動
問3 観測 1において、カシオペヤ座は図2のC、Dのどちらの向きに移動したか、また、オリオン座は図3のE、Fのどちらの向きに移動したか。
星の動きを考えるとき、方位を書く。
北を正面とすると、左が西、右が東になる。
南を正面にした時は右が西、左が東になるのでそれとは逆である。
これは、南と北では向きが逆だからである。
方位を書くと星は東から西に動くということは同じである
北では北極星を中心とした運動になるので、反時計回りの円運動に見える。
よって、Dになる。
南の空ではFになる。
星の日周運動の理由
問4 観測1、2から、オリオン座は時間の経過とともに位置を変えながら、1日後にはほぼ同じ位置に見えることがわかる。このようなオリオン座の見かけの動きを日周運動というが、この ような日周運動が生じる理由を説明せよ。
これは選択肢の問題ではなく、言葉で各問題である。
1日で変化する運動は自転によるものである
「自転しているから」
では得点にはならない。「なにが自転してるの?」というのが分かるように書かなければいけない。
オリオン座が自転しているとか、太陽が自転しているからとかなにが自転しているかわからないと正解にならない
「地球が自転しているから」
星の日周運動と年周運動
問5 観測 1をおこなった1か月後、同じ地点においてオリオン座の恒星Xが真南に見える時刻として最も適当なものは、次のどれか。
ア 20時頃
イ 21時頃
ウ 22時頃
ェ 23時頃
星は年周運動によって1日1度、東から西に移動する。
1か月では30日、30度である
1時間で星は東から西に15度移動する。
30度分は2時間である。
22時に星空を見てから1か月後は西に30度移動しているので2時間前の20時に南中している
答えはア