水酸化ナトリウムに塩酸を加えた時のイオンの数の変化(2015年三重県)
塩酸と水酸化ナトリウムの反応
【実験】
1 うすい水酸化ナトリウム水溶液 15 cm³をビーカーにとる。
2, 図1 BTB溶液を2,3滴加える
3,図1のように、ガラス棒でよくかき混ぜながら,うすい塩酸を少しずつ加えていった。
4.表1は,うすい塩酸 うすい塩酸を5cm³加えるごとにできた水溶液の色をまとめものである。
電離の様子
(a) うすい水酸化ナトリウム水溶液の中で、水酸化ナトリウムはどのように電離しているか、 電離のようすをイオン式で表しなさい。
電離とは電解質が水に溶けて陽イオンと陰イオンに分かれることを言う
イオン 電気を帯びた粒子のことを言う
陽イオン +の電気を帯びた粒子
陰イオン ーの電気を帯びた粒子
電解質 水に溶かした時に水溶液に電流が流れる物質
水酸化ナトリウムは電離してナトリウムイオンと水酸化物イオンに分かれる。
ナトリウムイオンは ナトリウム原子から電子が一つ抜けたものである。
原子は原子核と電子からできている
原子核はプラスの電気を持っている。電子はマイナスの電気を持っている
このプラスの電気とマイナスの電気は原子の時は同じ数だけ持っている。
ナトリウムイオンは、電子を一つ失っているものだから、変化していないプラスの電気の数の方が多い。だから、プラスの電気を持つ陽イオンになる。
Na → Na⁺ + e-
e-は電子を意味する。電子が一個抜けて ナトリウムイオン Na⁺ になる。
水酸化ナトリウムは 化学式で NaOH とかく。
これは Na と OH という二つの構成要素に分かれるが、
ナトリウムは原子で分かれるより Na⁺ のようにイオンで分かれる方が安定である。
OHもそのままで原子がくっついた状態でいるより、Naが放出した電子を1個受け取って
OH⁻ となった方が安定である。
Na⁺ のことを ナトリウムイオン
OH⁻ のことを 水酸化物イオン
という、
水酸化ナトリウムは水の中で
NaOH → Na⁺ + OH⁻
というように電離する。
イオンの数の変化
(b) うすい水酸化ナトリウム水溶液にふくまれるイオンとうすい塩酸にふくまれるイオンのうち,1種類のイオン をXとする。図3は,加えたうすい塩酸の体積と,でき た水溶液にふくまれるXの数との関係を模式的に表した ものである。図3のように数が変化するXは何か,その 名称を書きなさい。
水溶液内のイオンの変化に関するグラフは上の①∼⑧のどれかになる。
水酸化ナトリウム(水酸化物イオンとナトリウムイオンを最初に持っている)
に塩酸(塩化物イオンと水素イオン)を加える①~④
まず、変化しないのは。はじめから持っていて、加えられないもの。
変わらないので②になる。
そして、加えた分だけ増えるのが塩化物イオンなので増え続ける①になる。
アルカリ性の水溶液に酸性の水溶液を加えると水酸化物イオンが減っていく。
はじめ減っていくのを示している
次に忠誠を超えたら減り様がないので0で変化しない④が水酸化物イオンの変化量になる。
そして、加えた塩酸の中の水素イオンがはじめすべて打ち消され、そして中性になった後は増え続ける③は水素イオンになる。
この問題は③を表しているので答えは Xは水素イオンになる。
逆のパターン、塩酸に水酸化ナトリウムを加えるパターンのグラフもマスターしよう。
塩酸の中には水素イオンと塩化物イオンがあり、塩化物イオンは加えられずに変化しないから⑥が塩化物イオン
水酸化ナトリウムを加えているから増え続けているのがナトリウムイオンで⑤
減りつつけて0で一定が水素イオン⑧
最初は0で中性を超えたら増え続けるのが水酸化物イオン⑦
この問題において、グラフの傾きは③の右上がりの線とほかのグラフの右上がりの線は同じになる。
これはイオンの電気の数がプラスもマイナスもどれも一つずつで同じだからである。
pHの変化
(C) うすい水酸化ナトリウム水溶液にうすい塩酸を加えていったとき,できた水溶液のpHの 値はどのように変化したと考えられるか,次のア~エから最も適当なものを1つ選び、その 記号を書きなさい。
ア,しだいに小さくなった。
イしだいに大きくなった。
ウ、できた水溶液の色が緑になるまでは変わらず,その後しだいに小さくなった。
ェできた水溶液の色が緑になるまでは変わらず、その後しだいに大きくなった。
水酸化ナトリウムはpHが7より大きい。
これに塩酸を加えると7に近づく。
そして、中世を過ぎると7より小さくなる。
よって、pHは次第に小さくなる
ア