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生クリームを使った火山のモデル実験(2016年北海道)

 

Kさんは,火山についてインターネットなどで調べ,次の実習と実験を行った。

実習 過去の火山噴火の記録から予測される災害の情報などを記入した地図をもとに,地域にどのような被害が出るのかを調べたところ,火山噴火は大きな被害を及ぼすことが あることがわかった。図1は,火山噴火が起こったときに予測される被害をまとめたも のである。

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実験 火山の形のちがいを調べるため,火山の形のモデル実験を行った。

[1] 泡だて器で60秒間,空気と混ぜ合 わせた200gの生クリームAをビニル 袋にすべて入れた。

[2] 図2のように,中央に穴をあけた板 を水平に置き,Aを入れたビニル袋の 口を穴の下から通してテープで固定 した。

[3] A をすべて板の上におし出すと,生 クリームの盛り上がった形ができた。 

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ハザードマップ

問1 下線部@について,次の (1) ~ (3) に答えなさい。

(1) 次の文の1に当てはまる語句を書きなさい。また,2(      )に当てはまる文を 書きなさい。

この地図を一般に火山の1(         )マップといい,自治体などが1(     )マップを作成する目的は,自然災害による被害を予測し,避難場所などの情報を示すことで,被害を2(           )ためである。

1 ハザード

2 可能な限り小さくする

-

ハザードマップ 被害を可能な限り小さくするために作られている。

 

自然災害による被害を完全に防ぐことはできない。

 現在の防災は減災を重視している。

際涯は起こるものとして、災害が起きた時にいかに被害を小さくするか、そのためにどのような災害が起こるかを知っておく必要がある。

 そのために作られたのがハザードマップである。

 

火砕流

(2) 図1において,火山灰の厚い地層をつくることがある火山ガスなどの高温の火山噴出物の流れを何というか,書きなさい。

 

マグマ由来の火山噴出物である火山砕屑物(火山灰や軽石など)とガス成分(水蒸気や火山ガスなど)を含む数百℃以上の高温の混相流が山腹を高速度で流下する現象を「火砕流」という。

 

溶岩流ではない。

 

偏西風の影響

(3) 次の文は,図1の火山灰の到達危険域の特徴について説明したものである。説明が完成 するように, (     )に当てはまる文を,風向を明らかにして書きなさい。ただし,火山 灰は,想定火口範囲の真上にふき出すものとする。

 

火山灰は,上空の( 西風に運ばれる )ため,図1の到達危険域のように分布する。

 

会話文から答えなさい

問2 実験を終えて、Kさんは先生と話をしています。次の (1), (2) に答えなさい。

Kさん:生クリームの盛り上がった形は,インターネットで調べたある火山の形によく似ています。

先 生:同感です。では, 実験において, [1] の生クリームと [3] の生クリームは,それぞれ火山の何を見立てたものでしょうか,考えてみましょう。

Kさん : [1] の生クリームは、火山の地下で岩石が液状になった[X]を,また, [3]の生クリームは, [X]が地表にふき出た液状の(Y)をそれぞれ見立てたものだと思います。

先生:そのとおりですね。ところで、生クリームを空気と混ぜ合わせる時間が長いほど,生クリームのねばりけが大きくなることは知っていますね。新しい板にとりかえ て, Aとねばりけの異なる生クリームで同じ実験をすると,どうなるでしょう か。泡だて器で30秒間, 空気と混ぜ合わせた200gの生クリームBを,すべてお し出したときのBの盛り上がった形を予想して,スケッチしてみましょう。

 

(1) 上の文の[X],[Y]に当てはまる語句を,それぞれ書きなさい。

  地下にあるもの・・・X マグマ

  地上にあるもの・・・Y 溶岩

 

地下にあるものは、火山ガスなどが圧力によって閉じ込められているので、溶岩とは成分が異なる。

 

ねばりけと火山の形の実験を図に書く

(2) 下線部bについて,図3は、生クリームの盛り上がった形をスケッチしたものである。Aと比較した生クリームBの盛り上がっ た形を解答欄の図にかき加えなさい。また, 次の文は、Bの盛り上がった形を予想した理 由を説明したものである。説明が完成するように,(   )に当てはまる文を「ねばり け」という語句を使って書きなさい。

  生クリームBの方が,生クリームAより (             ) からである。

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生クリームAは60秒間

生クリームBは30秒間泡立てている。

生クリームAの方がねばりけが大きい。粘り気が大きいほうがつり鐘型になるので図3のようになる。

生クリームBはねばりけがAより小さいから、板に広がった形になる。

 

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(  )は「BはAよりも」という文章の空欄を埋めるので

ねばりけが小さい

ねばりけと火山の形をまとめる

問3 次の文の1~3の{ }に当てはまるものを,それぞれア,イから選びなさい。

実際の火山の形と比べると,生クリームAをおし出してつくった形によく似ている火山 は,1 {ア 雲仙岳(雲仙普賢岳) イ三原山(伊豆大島)}であり,このような火山 の噴火のようすは,2{ア 比較的穏やか ,イ 激しく爆発的)で,火山噴出物の色は, 3{ア 黒っぽい イ白っぽい}。

 

生クリームAはねばりけが大きい。粘り気が大きいのは、白っぽい溶岩を出す。これは、北海道では昭和新山が有名だが、この選択肢では、アの雲仙普賢岳になる

火山の噴火の様子は イの激しく爆発的

火山噴出物の色は イ 白っぽい

 

アイイとなる。

 

生クリームを使った実験は教科書に取り上げられているが、あまり出題はされていないのでこの問題を通して出題形式をおさえておこう。

 生クリームの粘りとそれによる火山の形が出題される。

 北海道の入試では各問題が完全解答であった、

 二つ正解で得点があるという形である。

火山名、ねばりけ、色の三つがそろっていて正解

生クリームの図とねばりけが小さいが正解で得点

マグマと溶岩が当たっていて得点

などが多い。これが定期テストとの違いであろう、定期テストでは部分点扱いだが、入試には部分点はない。