【基本問題】火山灰がカギ層になる理由 断層の力の向き(2020年山口)
地層の観察方法
[観察]
1 砂, れき, 火山灰の層がみられる地層を, (ア)ルーペで観察し, 粒の大きさを調べた。
2 火山灰を採集し、ルーペで観察すると, (イ)多数の鉱物が含まれていた。
別のある地域の地層について,インターネットを用いて次の調査を行った。
[調査]
1 ある地域の あ地点,の地点,イ地点,ウ地点の柱状図を収集し,図1のように まとめた。
2 この地域の標高を調べ,図2のようにまとめた。
Yさんは,T先生と,図1,2を見ながら,次ののような会話をした。
Yさん: この地域にも火山灰の層がみられますね。
T先生: この火山灰の層は,現在の九州地方の火山が約7300年前に噴火したときにふき出した火山灰が堆積したものであることが分かっているそうです。
Yさん: そうすると,火山灰の層の下にある, れきの層は,約7300年前以前に堆積したということですね。
T先生: そのとおりです。火山灰の層は、(ウ)離れた地層を比較する手がかりに
なりますね。
Yさん: はい。各地点の柱状図とこの地域の標高をもとに,火山灰の層を水平方向
につなげてみたところ,(エ)火山灰の層がずれているところがあることも わかりました。
T先生: よく気づきましたね。
ルーペの使い方
(1) 下線(ア)について,地表に現れている地層を観察するときのルーペの使い方として, 最も適切なものを,次の1~4から選び,記号で答えなさい。
1 ルーペは目に近づけて持ち, 地層に自分が近づいたり離れたりしてピントを合わせる。 2 ルーペは目から離して持ち、地層に自分が近づいたり離れたりしてピントを合わせる。
3 自分の位置を固定し, ルーペを地層に近づけたり離したりしてピントを合わせる。
4 自分の位置を固定し,地層と自分の中間の位置にルーペを構えてピントを合わせる。
ルーペの使い方に関する問題である。
ルーペはどんなものを観察するときも、目に近づけてもつ。
花など、動かすことができるものなら、花を近付けたり。遠ざけたりしてピントを合わせる。
地層は動かすことができないので、観察者が近づいたり遠ざかったりしてピントを合わせる。
そのため、1が答えとなる。中学1年の最初の花のつくりでルーペの使い方を学ぶ。
この地層の分野は中学1年の後の方で学習するが、器具の使い方はどこの分野でも出る。
鉱物の名称
(2) 下線(イ)は,「有色の鉱物」と「無色・白色の鉱物」に分けられる。「無色・白色の 鉱物」を,次の1~4から1つ選び,記号で答えなさい。
1 キ石
2 チョウ石
3 カクセン石
4 カンラン石
無色鉱物 席A で 超ラッキー
セキエイ 長石
有色鉱物 運も かくせん きせきの かんらんせき
ウンモ カクセンセキ 輝石 カンランセキ
選択肢の中で セキエイはないが、長石はこたえにある。 2である。
カギ層になる条件
(3) 火山灰の層が,下線(ウ)となるのはなぜか。簡潔に述べなさい。
火山灰の層が地層のできた時代を示すことができるのは、火山灰が広範囲に堆積するためである。
このような地層をカギ層という。
断層について
(4) 下線(エ)のようになっている原因は,あ地点からえ地点の間に,図3の模式図のような断層が1か所あるからである。この断層による火山灰の層のずれは,図2のA~C のいずれかの「区間」の下にある。その「区間」として 最も適切なものを,図2のA~Cから選び,記号で答え なさい。ただし,この地域の火山灰の層は水平に堆積し ているものとする。
また,この断層ができるときに「地層にはたらいた力」を模式的に表した図として 適切なものを,次の1,2 から1つ選び,記号で答えなさい。
図1の柱状に図を図2の標高に地表が来るように高さを合わせると次のようになる
あ と い う と えはカギ層となる ァ残灰の層は同じ標高にある。
あの地点標高235mの地表から15m下なので220m
うはそれよりも標高は10m高いので230mに火山灰の層がある。
よって、断層はBにある。
上盤が下盤よりも下のほうにずれているから、これは正断層で両端から引っ張られている。
よって1になる
ポイント
他県では地層の分野では双眼実体顕微鏡の使い方が出題されている。
ルーペは花のつくりでしか出てこないがそれを出題するところが山口県の問題らしいところである、分野をまたぐのが山口県では多い。
鉱物の分類に関しては、一つ選べという問題なので解きやすい。
有色鉱物をすべて選べという問題の場合、1,3,4となりむずかしくなる。
この問題は易しめである。
「岩石を観察したところ、安山岩であった。無色鉱物はどれか」という問いだとむずかしくなる。
火山灰は急激に冷やされるので火山岩である
火山岩は
色 白 灰 黒
ねばりけ 大きい 少し 小さい
火山の形 ドーム型 成層火山 楯状火山
鉱物の種類 石英が多い 長石が多い 無色鉱物はほとんどない
というように、安山岩というキーワードで色は灰色、ねばりけは少し、長石を含む
ということを言わなくてはいけない。
最後の柱状図に関する問題である。柱状図を用いた問題では地層が南北、東西、どの方向に傾いているのかを聞く問題が多く、断層がないというのが多い。
今回は断層があるパターンである
それも、断層は東側が西側より低く 断層面が上磐が東側になっている。
正断層と逆断層の違いは中学の教科書には詳しくふれていないが、上磐が落ちていることから正断層というのを答えなくてはいけない。
断層面が逆で上盤が西側なら火山灰の層は上に持ち上がっていることになるので、
これは逆断層になり、両端からおされている形となる。