中学でならう地学分野の総まとめ(2014年富山)
日本の自然と自然災害について述べた次の文を読み,あとの問いに答えなさい。
日本はユーラシア大陸の東方に位置し,周囲を海に囲まれた南北に細長い島国である。比較的温暖で湿潤な気候であり,ア四季がはっきりしている。また,イ険しい山脈や平野,ウそこ を流れる川などが,変化に富んだ美しい景観をつくっている。
一方,様々な自然災害も発生している。日本は世界でも地震や火山が多い場所に位置する。 地震は,ゆれによる建築物の倒壊や土砂くずれ,津波などの災害を引き起こす。火山活動は エ溶岩流や火山ガスの発生,広い地域に才火山灰が降るなどの被害をもたらす。年間を通して 降水量が多く,特に力強い雨や雷をともなう前線や台風による災害が見られる。また,キ大陸 と海洋の影響により,ク日本海側では大陸からの冬の季節風によって雪がたくさん降る
季節や南中高度が変わる理由
(1) 下線部アについて,日本では,昼の長さや太陽の南中高度の変化により四季が生じる。季節に よって昼の長さや太陽の南中高度が変化する理由を「公転」ということばを用いて簡単に書きなさい。
地球の地軸が公転面に対して垂直な方向に23.4°傾いて太陽の周りを公転しているため
もろくなる現象
(2) 下線部4について,山脈や平野など大地をつくる岩石が,気温の変化や風雨などによって長い間に表面からもろくなってくずれていく現象を何というか,書きなさい。
風化
大きいものが河口近くに積もる
(3) 下線部ウについて,川によって海に運ばれた土砂はわかれて堆積する。一般に,砂・泥・れきが混ざった土砂 が海に流れ込んだとき,海底にはどのように堆積するか,図1の海底に,わかれて堆積しているようすをかきなさい。ただし,砂、泥、レキを次のように示すこと。
図1は左が河口に近く、右に行くほど河口から離れていく。
左側からレキ、砂、泥の順に堆積していく、完全に分かれるように書くこと。
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溶岩の性質
(4) 下線部工について,次の文は溶岩の性質と火山との関係を説明したものである。1~3の ( )の中から適切なものをそれぞれ選び,記号で答えなさい。
一般に,ねばりけの1(ア強い ,イ 弱い) マグマでできる火山は,おわんを伏せたよ うな形をしている。そのマグマが地表に出ると,2(ウ黒っぽい エ白っぽい)溶岩に なる。この溶岩が固まると3(オ玄武岩 カ流紋岩)になる。
おわんをかぶせたような形になる火山→ 雲仙普賢岳のような ドーム状
粘り気がありすぎてドーム状になる ア 強い
粘り気が強いのは 二酸化ケイ素 を多く含むからで、二酸化ケイ素を多く含むと鉄などの色のついたものが少なくなるので色が白くなる。エ 白っぽい
溶岩は地表で急速に固まるので火山岩である。
火山岩は か り あ げ
白っぽい 灰色 黒
白っぽいのは流紋岩なので カ
火山灰はどれか
(5) 下線部分について,図2のア~ウは花こう岩と砂浜の砂,火山灰を顕微鏡や 双眼実体顕微鏡で観察したスケッチであ る。火山灰はどれか。1つ選び,記号で 答えなさい。
アは角ばった粒
イは角が丸くなっている粒がある
ウは大きい結晶が詰まっている
角が丸くなっているのは水の働きで角が取れているためだから 砂浜の砂
大きい結晶が詰まっているのは地下深くでゆっくりと冷えて固まった深成岩である花崗岩
角ばったのがみえるのが、火山灰 よって ア
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雲の説明
(6) 下線部力で見られる強い雨や雷をともなう雲を何というか,名称を書きなさ い。また,図3の天気図において,その 雲が発生しやすい範囲はどこか,斜線で範囲を表しなさい。
激しい雨と雷が起こるのは、積乱雲である。積乱雲は寒冷前線の西側で発生する。
冬の北西の季節風の仕組み
(7) 下線部キについて,図4の装置で大陸と海洋の影響を確か める実験を行った。岩石と水をともに 50 °C に熱して装置に 入れ,線香に火をつけて透明な箱をかぶせて 20 °C の部屋に 放置した。しばらくすると,線香の煙は透明な箱の中で循環した。循環のようすを図4に矢印でかきなさい。また,その ように循環するのは、大陸をつくる岩石の性質と水の性質に ちがいがあるためである。それは,どのようなちがいか。 「岩石は」に続けて,簡単に書きなさい。
岩石は水よりも早く50度から温度は下がる。空気は岩石の方に下降する。水は温度が下がりにくいため、表面の空気が暖められて上昇する。上昇した空気は岩石の上空に流れ込む。この結果、反時計回りに、対流が生じる。
季節風の特徴
(8) 下線部クについて,富山で雪を降らせる冬の季節風の特徴を簡単に書きなさい。
湿っている
ポイント
図で書き表しなさい
文字で説明しなさい
というタイプの問題は受験生が一番嫌がる問題である。(選択問題と異なり答えづらい)
それが2014年の富山県で一気に出された形である。内容はよくある基本問題なのだが、答えにくくて解凍できないというのが多いだろう。
富山県では、正答率を公表していないのでどれくらいできているのかはわからないが、白紙の答案も多かったのではないだろうか。
このような問題はできる子は書くができない子は白紙が多い。
地軸の傾き、川の働き、地層のでき方、雲のでき方、季節風
3年間で習う地学分野の総まとめ的な問題である。これがすらすらとけるぐらいになれば受験に向けての確かな学力が身についてきているといえる。