記録テープからわかること(2019年熊本)
手で押して記録した。
実験I
図28のように、台車を水平面上に置いた。手で軽く押し、1秒間に60回打点する, 記録タイマーで台車の運動のようすを 調べた。図29は,台車の運動を記録したテープの一部であり、図30は, テープに記録された打点が重なって いる部分を除外し、6打点ごとに切って左から順に紙にはり付け、A〜Lの記号をつけたものである。
同じ長さの記録テープからわかること
(1)図29の区間aの距離と区間 bの距離が等しいとき,区間 a における台車の平均 の速さは、区間 bにおける台車の平均の速さの何倍か、求めなさい。
この問題は熊本県で出題された。熊本県では記録タイマーは1秒間に60打点打つ。
区間aの打点の数は16打点より、時間は、
区間bの打点は8打点より、時間は
区間aと区間bの距離は同じなのだから、ここでその距離をとおく。
より、割り算は逆数のかけ算だから
区間aの平均の速さは,
区間bの平均の速さは、
aの速さはbの速さの何倍かという問題は
で求めることができる。割り算は逆数のかけ算である。
bの速さの逆数は
であるから
=
==0.5
0.5倍
打点数が少ないほうが平均の速さは大きい。
aの打点が16でbの打点は8だから、aのほうが打点が多い。
aの方が平均の速さは小さい。打点数の比が a:b=16:8=2:1
bの打点数はaの打点数の半分だから、速さはbはaの2倍になる。
問題は aはbの何倍かだから、逆数の倍になるわけである。
aの速さは、打点間の長さがそれぞれ違うことにより、 速さがことなり
さらに打点間の長さがどんどん大きくなってきていることから、加速度運動である。
bの速さは、打点間の長さがほぼ等しいことより、速さが同じ、等速直線運動であると考えられる。
一定の距離では加速している運動と等速直線運動では等速直線運動の方が平均の速さが速い。
100走でスタートから10mを1秒間で速さ0から秒速10m/sになるまで走っている人は
平均の速さは==5m/s
秒速10m/sで1秒間
平均の速さは==10m/s
5m/sは10m/sの何倍か?5÷10=0.5倍というような考え方です。
同じ時間の時の移動距離
(2)図30について,それぞれのテープの長さは,台車が(① )秒間に移動した 距離を表している。また、図30から、 図31 台車の速さが一定の割合で変化している のは、②(ア A~Gの間 イ HとLの間)とわかる。
この紙テープは6打点ごとに切ってある。
熊本県では、1秒間に60打点するので、
1秒間:60打点=秒間:6打点
=0.1秒
①0.1
速さが一定の割合かどうかは、変化した量を考える。
A 2cm
B 3cm (差が1cm)
C 4.5cm(差が1.5cm)
D 6.25cm(差が1.75cm)
E 8cm(差が1.75cm)
F 10.4cm(差が2.4cm)
G 12.0cm(差が1.6cm)
H 11.8cm(差がー0.2cm)
I 11.5cm(差がー0.3cm)
J 11.2cm(差が-0.3cm)
K 10.9cm(差が-0.3cm)
L 10.6cm(差がー0.3cm)
同じ時間の間の速さの変化の割合を比較すると
平均の加速度はA~G間は
A~Gは速さの変化の割合が1~2.4cmといろいろ変わるので一定ではない。
H~Lは速さの変化の割合が-0.3cmとほぼ一定である。
H~Lは負の等加速度運動(減速する)
よって
②イ
このときの 加速度は=
作用反作用の法則
実験
図31のように、水平面上に重さが1.5Nの台車と、重さが2.0Nの 木片を置き,台車を矢印の向きに 手で軽く押し、静止している木片に 衝突させた。衝突後,木片は台車 から離れ、図31の矢印と同じ向きに しばらく移動した後,静止した。
(3)図32は,実験1で木片に台車を衝突させたときに、 木片が台車から押された力を矢印で示した模式図である。木片が台車から押された力が3.0Nであるとき、 木片が台車を押し返す力を,解答用紙の図中に矢印です。 かきなさい。ただし、作用点を●印で示すこと。
図に表されているのは木片が台車から押された力である。
木片が台車を押し返す力は作用反作用の力である。
作用点が同じである。
大きさが同じで向きが逆(3.0Nより、3目盛り)