抵抗のブラックボックス(2020年兵庫)
表3は,3種類の抵抗器X~Zのそれぞれについて,両端に加わる電圧と流れた電流をまとめたものである。ただし,抵抗器X~Zはオームの法則が成り立つものとする。
オームの法則から抵抗値を求める
(1) 抵抗器 X の抵抗の大きさは何とか,求めなさい。
オームの法則が成り立つので
電圧V 抵抗R 電流Iとして V=RIが成り立つ。
電圧V=3.0 電流Iを
3.0=R ×
3000=750R
R=
R=
R=4Ω
後の計算で使うので抵抗Yと抵抗Zの大きさを求める。
抵抗Yは抵抗Xよりも同じ電圧をかけた時流れる電流が半分になるから抵抗が2倍の8Ω
抵抗Zは 電流の流れにくさが 倍 (5倍)なので抵抗も5倍
R=
R=20Ω
抵抗X 4Ω 抵抗Y 8Ω 抵抗Z 20Ω
並列回路の電流値
(2) 図2のように、抵抗器XとZを用いて回路を作り,電源装置で 6.0 V の電圧を加えたとき,電流計が示す値は何Aか, 求めなさい。
この問題には合成抵抗を求める方法と各抵抗に流れる電流を足す方法がある。
抵抗Xの大きさは4Ω 抵抗Zの大きさは20Ωより
合成抵抗を求める方法
合成抵抗は
R=
R=
R=
R=Ω
電圧V=6 R=として
V=RIから
6=
I=1.8A
それぞれの抵抗に流れる電流を足す
抵抗Xに6Vの電圧がかかっているのでV=6 R=4として
V=RIから 6=
I=
I=1.5A
同様に抵抗Zにも6Vの電圧がかかっているので V=6 R=20として
V=RI から 6=
I=
I=0.3A
よって電流計に流れる電流は二つの電流を足したものだから 1.5+0.3=1.8A
直列回路の未知抵抗
(3) 図3のように,抵抗器X~Zと2つのスイッチを用いて回路を作った。ただし,図の1~3 には抵抗器X~Zのいずれかがつながれている。表4はスイッチ1,2のいずれか1つを入れ,電源装置 で 6.0 V の電圧を加えたときの電流計が示す値をまとめたものである。図3の1 ~ 3 につなが れている抵抗器の組み合わせとして適切なものを,あとのアーカから1つ選んで,その符号を書きなさい。
スイッチ1だけを入れた場合
電圧V=6 電流I=とする。
V=RIで合成抵抗を求めると
6=R✕
6=R×
R=
R=24Ω
スイッチ2だけを入れた場合
電圧V=6 電流I=とする。
V=RIで合成抵抗を求めると
6=R✕
6=R×
R=
R=12Ω
抵抗3を固定して条件に合うものを探す
抵抗1 と 抵抗3を足すと 抵抗は24Ω
抵抗2 と 抵抗3を足すと 抵抗は12Ω
抵抗1、2,3の大きさをa,b,cとすると
a+b=24・・・①
a+c=12 ・・・②
ここで 抵抗は 4Ω 8Ω 20Ωの3種類なのでaにそれぞれ入れて考えてみる
a=4のとき ①より
4+b=24
b=20
②より
4+c=12
c=8
a=8のとき
8+b=24
b=16
8+c=12
c=4
a=20のとき
a+b=24
20+b=24
b=4
20+c=12
c=ー8
この3通りの中で条件を満たすのは
a=4 b=20 c=8
①抵抗X ②抵抗Z ③抵抗Y
抵抗のブラックボックス
(4) 抵抗器X~Zと4つの端子A~Dを何本かの導線でつなぎ,箱の中に入れ,図4のような装置をつくった。この装置の端子 A,Bと電源装置をつなぎ 6.0 V の電圧を加え電流の大きさを測定したのち,端子C,Dにつな ぎかえ再び 6.0 Vの電圧を加え電流の大きさを測定すると,電流の大きさ が3倍になることがわかった。このとき箱の中の抵抗器X~Zはそれぞれ。 端子B 端子 A~Dとどのようにつながれているか,箱の中のつなぎ方を表した図 として適切なものを,次のア~エから1つ選んで,その符号を書きなさい。
CD間に流れる電流はAB間に流れる電流の3倍になる
これを満たすのは CD間の抵抗がABの抵抗の倍になる
組み合わせを選ぶ。
ア AB XとYが直列 4+8=12
CD Z 20
イ AB XとZが直列 4+20=24
CD Y 8
ウ AB XとYが並列 =
CD X 20
エ AB XとZが並列 =
CD 8
イのつなぎ方の場合 CDの抵抗の3倍が24であることから
CD間はAB間の3倍電流が流れる。
これは電流の大きさは同じ電圧では抵抗の大きさに反比例するというのを使っている。