抵抗のブラックボックス(2019年山梨)
【実験1】
1 電源とスイッチS1~S3,抵抗の大きさが10Ω、20Ω,、40Ω の電熱線を使って,図1のような回路 をつくった。この回路は,S1~S3を入れたり 切ったりすることで,直列回路,並列回路をつくる ことができる。
2 S2を入れ,S1とS3を切って直列回路をつくり, 電流計を使って,10Ωの電熱線に流れる電流を調べた。
直列回路
(1) 【実験1】 について, (i), (ii)の問いに答えなさい。
(i) 2で,10Ω の電熱線に流れた電流が0.5 A のとき, 10Ω の電熱線に加わる電圧は何Vに
なると考えられるか,求めなさい。
直列回路では、どこの点でも回路に流れる電流の大きさは同じである。
10Ωの抵抗にも0.5Aの電流が流れている。
S2だけを接続した回路は上の図のようになる。
オームの法則より V=RI で R=10Ω I=0.5Aより電圧は、
ボルト
この問の答え 5ボルト
20Ωの抵抗にかかる電圧も考えてみる。
10Ωのときと同様に
V=RIで R=20Ω I=0.5Aなので
ボルト
10Ωの抵抗にかかる電圧は5ボルト、20Ωの抵抗に掛かる電圧は10ボルトより、
電源の電圧はこれを足したものである
5ボルト+10ボルト=15ボルト
このように、このような問題では、電源の電圧を求めることが多い。この電圧の大きさは各抵抗にかかる電圧を足したものになる。
並列回路
(ii) S1とS3を入れ,S2をきって並列回路をつくった場合,並列回路全体の抵抗は何Ωに
なると考えられるか,求めなさい。
スイッチS1とS2を入れた回路は上の図のようになる。
並列接続のときの合成抵抗の公式を使う
==8.0Ω
抵抗のブラックボックス(直列回路)
【実験2]
図2は,端子 A~Dを使って、AB間,BC間,CD間,DA間に電熱線をつなぐことができる装置を表している。例えば,図3のようにつなげた場合,BD間に,20Ω と40Ωの電熱線が直列につながっていると考えることができる。
抵抗の大きさが10Ω,20Ω,40Ω の電熱線を1個ずつ用意し,装置のAB間,BC間, CD間,DA間のいずれかに1個ずつつなげた。次に,AB間,AC間,BD間に加わる 電圧と流れる電流の関係を調べ,結果を図4のようにまとめた。
グラフの読みやすいところから抵抗の値を読み取りやすいところを読む
AB間では10V で 0.2Aであるから、
V=RIで
AC間 V=10ボルト I=0.5A
BD間は V=6ボルト I=0.1A
V-RIより
R=60Ω
まとめると AB は 20Ω
AC は 50Ω
BD は 60Ω
ABは20オームの抵抗1本で20Ωになる
ACはAB20ΩとBCを足して50Ωと考えると BCは30Ωとなるが、30Ωの抵抗はない。これは、保留する。
BD間が60Ω BAに20Ω ADに40ΩでBDは20+40で60Ω
AC間はADで40Ω DCで10Ω
(2) 【実験2〕について,装置には10Ω, 20Ω,40Ωの電熱線がどのようにつながっていると考えられるか,図3にならい,電熱線のつなぎ方と抵抗の大きさがわかるようにしてかきなさい。
2 ひろしさんと近所の電気屋さんとの会話である。(1), (2)の問いに答えなさい。
ひろし:電気器具には、「100V-100W」などの表示がありますが,どのような意味ですか。
電気屋さん:100V の電源につなぐと,100Wの電力を消費することを意味します。電気器具を一定時間使用したときに消費される電気エネルギーの総量を何というかわかるかな。
ひろ し:はい,電力量です。電気料金の請求書に,私の家で使った電力量が書いてありました。
電気屋さん:そうだね。では,表の電気器具を「表示された電力」で「使用した時間」使用したとすると,電力量が最も大きくなるのはどれだと考えられるかな。
ひろし:はい,( a ) を使用した場合です。
電気屋さん: 正解です。では,乾電池のように,電流の向きが一定で変わらない電流を直流というのに対し,電流の向きが周期的に入れかわる電流を何というかわかるかな。
ひろし:はい,(b )といいます。家庭のコンセントに届けられる電流は、1 です。 電気屋さん:そのとおり。変圧器を用いて簡単に電圧を変えられること徴だね。
(1) aに当てはまるものを,次のア~ウから一つ選び,その記号を書きなさい。
ア液晶テレビ イ ノートパソコン ウ ホットプレート
電力量=電力✗時間
で計算してみる
=8400W・分
ノートパソコン
=4750W・分
ホットプレート
=6500W・分
よって一番大きいのは液晶テレビ ア
(2)bに当てはまる語句を書きなさい。
電流が交互に入れ替わる電流を交流という
ポイント
最初の問題はスイッチS2だけのときは40Ωの抵抗には電流が流れない、
次の問題はスイッチS2をきると20Ωの抵抗には電流が流れない。
このことを使って、ブラックボックスの問題をとく。
今回、10、20、40オームの抵抗を1つずつ 使い
20Ω 50Ω 60Ωを作る
20Ωはそのまま使う
50Ωは10Ωと40Ωを直列
60Ωは20Ωと40Ωを直列
というので、作り出すことができる。
どれも直列なので考えやすい。
並列回路ではどうなるか、対角線(たとえば、AC間 BD間に抵抗がある場合、
並列回路のブラックボックスが作られる。
今回はこのパターンではないのでこたえはすぐもとめられるであろう。