種子の発芽の条件(2017年山口)
トウモロコシの種子の発芽の条件
Yさんは種子の発芽について,『発芽するには、水,空気,適切な温度が 必要である』と仮説をたて, 家庭菜園用の「トウモロコシの種」を使って,次の[実験]を 室内で行った。
仮説『発芽するには、水,空気,適切な温度が 必要である』
[実験]
1 プラスチックのカップを4つ準備し、それぞれに脱脂綿を入れ、「トウモロコシの種」を3つずつ置いた。
2 1の操作でつくったカップをそれぞれカップA〜Dとし、表1のように「水」「空気」「温度」の条件を変えてそれぞれ放置した。
3 10日後, カップA~Dのトウモロコシの発芽について観察し,結果を表1に記録した。
<考察>
カップAのトウモロコシが発芽し,B~Dが発芽しなかったことから,発芽するためには,水,空気,適切な温度が必要であると思われる。
<感想>
明るい室内に置いたカップA〜Cと、暗い冷蔵庫内に置いたDでは、光の条件が
そろっていなかった。そこで、トウモロコシの発芽に光の有無は関係ないこと を確かめたい。
種子の発芽条件
種子の発芽に関しては、高校の生物で学習する。
植物には植物ホルモンと呼ばれるものを合成し、その濃度により発芽や成長が決まっている。
発芽調整に関するホルモンの一つにジベレリンがある
種子は、アブシシン酸と呼ばれる植物ホルモンで発芽しないように休眠状態にある。
この休眠を打ち破るには、
空気、水、適当な温度
が必要なのである。
このほかにも発芽に光が関係している種子がある。
光が発芽に必要な種子
雑草の種は 光がないと発芽できません。そのため、雑草が生えるところに黒いビニールを敷くとその下からは雑草が生えません。
アスファルトでその上を覆ってしまうと道路の下の地面にある種子は光が届かないので発芽はしません。
光がないところで発芽しても光合成ができないから、成長できない。そのために発芽しないという戦略かもしれません。
光があると発芽しない種子
一方、発芽に光を嫌う植物もあります。代表はダイコンです。
ダイコンは発芽に光を嫌います。
そのため、アスファルトの下で発芽するということがあります。
種子の発芽に光が必要な種子を光発芽種子といい、レタスが有名です。
この種子は光がないと発芽しにくいので、種まきは土を深くかけてはいけません。
「見通しをもって実験観察を行う」
仮説を立て、どのような結果が得られれば仮説が証明できるのかというのを考えながら実験を行う、これが今後出題されていく。
種子の発芽に光が必要か?
Yさんは、トウモロコシの発芽に光の有無は関係ないことを確かめるため,
[実験]の1と同じ操作でカップEをつくり,追加の実験を行うことにした。カップE の「条件」はどのようにすればよいか。表2に示す各条件の1,2からそれぞれ選び, 記号で答えなさい。
またトウモロコシの発芽に光の有無は関係ないことを確かめるためには、カップE の「結果」がどのようになればよいか。下のアイから選び,記号で答えなさい。
種子が発芽するのには、水、空気、適当な温度が必要であり、どれが欠けても発芽しないことがはじめの実験でわかっている。
この実験では光だけが発芽に必要かどうかを調べるのだから、他の条件は発芽する条件でなければならない。
水 あり 1
空気 あり 1
温度 適当な温度(25℃)1
そして光の条件だけ 光があり、光がなしで考える。
最初の実験は光がありの実験で発芽したので、ここでは、光がなし(2)で実験を行う。
その結果、光の有無に関係がないのならば、この光がない所の種子でも発芽する(ア)となる。
ポイント
このように、仮説が正しくなるには実験結果がどのようになればよいかという問題も最近は多く出題されている。