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備長炭電池(2016年滋賀)

中学段階での電池の学習では

 電極の変化にイオンが関係しているということを見出し、理解するということになっている。

 

電極の変化にイオンが関係している→電解質が関与している

 

この電解質が関与しているということで次の問題を考えてみよう。(2016年滋賀改題)

実験手順と結果

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<操作>

1  図1のように、ろ紙に15%の食塩水(塩化ナトリウム水溶液) を十分にしみこませ、木炭(備長炭)に巻き、その上からアルミニウムはくを巻いて、図2のような電池をつくる。

2 図3のように,図2の電池に抵抗器と電流計をつなぐ。  

3 電池をつないで5秒後の回路に流れる電流の大きさを測定する。 数時間後、アルミニウムはくをはがして表面を観察する。

4 次に1のろ紙を,15%の砂糖水を十分にしみこませたろ紙に 取りかえて、同様の実験を行う。

<結果>

表1は実験の結果をまとめたものである。

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問題

(1)次はこの実験の考察である。文章の空欄に適する語句を答えなさい。

 砂糖水と違い、食塩水は水に溶けて電気を流す(①    )のため、水の中で陽イオンと陰イオンに分かれる。このことを(②      )という。

 

(2)質量パーセント濃度15%の食塩水200gを作るために必要とする食塩と水はそれぞれ何gか。

 

(3)アルミニウムはくが小さな穴だらけになったことについて次の会話文を読んで次の問いに答えなさい。

 

太郎さん:アルミニウムの表面から、アルミニウムがイオンになって食塩水の中に溶けたことが考えられるね。

 

花子さん:このイオンは(①陽イオン 陰イオン)だから、アルミニウムはくでは、電子を(②与えて 受け取って)いることが考えられるね。

 

太郎さん:アルミはくの方が(③マイナス プラス)極になったんだね。

 

花子さん:電子の流れは、(④)で、電流の向きは(⑤)になったんだね。

 

問1 ①~③の空欄に当てはまる語句をそれぞれ選び答えなさい。

問2 ④⑤の流れについて アルミはく 木炭 電流計 抵抗 を流れる順に左から並べてそれぞれ答えなさい

 

考え方

(1)①電解質 ②電離

水に溶けて電気を流す物質のことを電解質という。

  電解質は水に溶けて、電気を流すもので、溶質のままでは電気を流さない。

  イオンに分かれることを電離という。

(2)食塩30g 水170g

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食塩の質量30g

水の質量=溶液ー溶質

水の質量=200ー30

水の質量=170g

 

(3)問1 アルミニウムは金属元素である。金属元素は 陽イオンになる。

 金属元素は 食塩水に溶けるときに 陽イオンになると同時に 電子を放出する

  アルミニウム → アルミニウムイオン + 電子

  Al   → Al³⁺+3e⁻

問2

アルミはくは電子を受け取っているので 負極(マイナス極)になる。

 電子はマイナスからプラスの方に流れるので

  アルミはく 抵抗 電流計 木炭

 電流はプラスからマイナスの方に流れるので

  木炭 電流計 抵抗 アルミはく

の順番になる。

 

回路に流れる電流を大きくする方法

<操作>

1 ろ紙にしみこませる食塩水の濃度を変えて図2の電池をつくり,それぞれ,図3のように回路につなぐ。

2電池をつないで5秒後の回路に流れる電流の大きさを測定する。
<結果> 表2は,実験の結果をまとめたものである。

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見通しを持った実験の組み立て方

(4)次の会話文の下線部でアルミニウムがイオンになる量が,回路に流れる電流の大きさに影響を与えていることを確かめるために,図2の電池をどのように変えて実験をすればよいですか。実験2以外 この方法を書きなさい。ただし,実験1と同じ木炭を使い、電池をつないで5秒後の電流を測定することとします。

 

太郎さん : 実験1,2の結果から,図3の回路に流れる電流には、イオンが関係していることがわかる

花子さん:ある一定の時間に回路を移動する電子の数が多くなると,回路に流れる電流も大きくなることが,調べてわかったよ。

太郎さん: アルミニウムがイオンになって,食塩水中にとけ出す量が多くなれば,図3の回路に流れる電流が大きくなると考えられるね。

 

考え方

アルミニウムの表面積を多くして、実験1と同様な実験を行うと表面積が大きくなった分だけ大きな電流が取り出されるのではないかと予想される。

 

そこで、木炭にまくアルミニウムはくの面積を変えて実験1と同様の実験を行う