昆虫の体のつくり
虫なんて嫌いだし、分類できたからって何の役に立つの?
小学校3年生の時に昆虫の分類で虫を平気で触っていた子供が中学1年生になると虫嫌いになって、そして、つぶやく言葉である。
何の役に立つのか。
それはモノを分類するには、共通性に着目するという、ものの見方を養う能力を養うのに役に立つ。
そして、共通性に着目するためには、だれもが同様の方法で分類できるように分類のための目印が必要。
そして、だれもが共通して認識するためには共通した名称でいわなければいけない。
だから、分類するためには各部の名称を知らなければならないし、それがどこを示しているのかを知らなければいけない。
昆虫の骨格はせきつい動物が「内骨格」であるのと異なり、「外骨格」である。筋肉はせきつい動物は骨の外側にあり、骨を動かすために両端は「けん」とよばれるもので「別々の骨」についているが、昆虫では、骨格の中にある。
昆虫は、体が頭部、胸部、腹部に分かれており、頭部に1対の触覚、胸部に3対の「節」を持った足と2対のはね、
腹部と3つの部分に分かれている。
昆虫の呼吸は気門で行われ、血管が開放血管系である。(外の空気から直接酸素を取り入れているため、肺という器官はない)
心臓は背側の下側の腹部にあり、そこから血液を上の頭部の方へ送るという形で行われている。
赤字で書いてあるところが重要語句でテストの空欄に適する語句を答えなさいという問題で出されてきた。50年以上、この傾向で問題は出題され続けてきたから今後も変わることはないと考えられる。
だから、昆虫を観察しなくても文章で覚えればいいという風になってきた。
しかし、2021年からは思考力、判断力が問われるのである。
カブトムシの頭・胸・腹は?〜その2 | 授業研究のあしあと - 楽天ブログより画像引用
ここでカブトムシの胸部(むね)はどこか?という問題が出た場合、上の図の①~④のどれを選ぶだろうか?
昆虫の定義「胸部に3対のあしがある」というのがあるから、④を選んでしまいそうである。④を選んだら腹部はどこになる?ということになる。
答えは③である。
トンボ、バッタ、チョウのように3つの部分に分かれていればわかるが、かぶとむしはわかれていないため、わかりにくい。
https://mailsrv.nara-edu.ac.jp/~morimoto/com156.htm より画像引用
この問題は何が目的か。
カブトムシはほかの昆虫と比べて胸部に分類されるところを見間違うのでそれを覚えているかどうかを調べる
というのではない。
昆虫の分類の共通性、胸部に足と羽がついているという共通性から、どんな昆虫に対してもそれを適用して胸部がどこであるかを判別できるかという思考能力
そして、この3つの部分に分類できなければ昆虫ではないということが分かるかというのを判断できるかという判断力である。
さらに、判断力で問われるのは
光学顕微鏡で観察するようなものは単細胞生物であるという思い込みを打ち破るというのがある。
ミジンコは顕微鏡で観察するが、節足動物の甲殻類に分類される。決してゾウリムシやミカヅキモのように分裂で増えるものではない。
節足動物はたまごでふえる。そのため、ミジンコも卵でふえる。